リスロマンティック

リスロマンティックと蛙化現象の違いを解説

リスロマンティックと蛙化現象の違いを解説

恋愛にまつわる「リスロマンティック」という言葉をご存知でしょうか。

リスロマンティックとは、恋愛に関する指向や感情の一つで、「恋をしても好きになられるとすぐに冷めたり、恋愛感情を抱いても両思いの形を求めないこと」を指します(アコイロマンティックやアプロマンティックとも言います)。

恋愛ができない若者が増えていますが、この「恋愛ができない」というのは、もしかしたらリスロマンティックの場合もあるかもしれません。

リスロマンティックは、英語でLithromanticと書き、海外に存在する概念ですが、一方で、似たような恋愛指向として「蛙化現象(かえるかげんしょう)」と呼ばれる不思議な名称もあります。

蛙化現象は、日本由来の概念で、英語訳はありません。

蛙化現象の意味は、好きだった人間に行為を向けられた瞬間、相手のことを「嫌い」「キモい」と感じるようになる心理状況を指します。

蛙化現象はリスロマンティックと似ている面もあり、一部分は重なっているのですが、違いもあるので、以下、リスロマンティックと蛙化現象の違いを解説したいと思います。

リスロマンティックとは

まずリスロマンティックとは、先ほども触れたように、「相手に恋愛感情を抱くものの、相手から恋愛感情を抱くことを求めない恋愛指向」を意味します。

ただ、これはざっくりとした定義で、リスロマンティック自体は幅広い範囲を占め、原因も様々です。

たとえば、リスロマンティックは以下のように種類分けができます。

①両思いを求めない

恋愛ができない、という男性、女性のなかには、「誰かを好きになるという感情そのもの」が湧かない、分からない、というひとも多いかもしれません。

しかし、この場合は、恋愛感情(「好き」という感情)はあるものの、両思いになることを求めません。遠くから見ているだけで満足という点では、少しファンや推しに近いかもしれません。

リスロマンティックの一つが、この「好きというだけで満ち足りる」という恋心です。

②恋愛そのものに抵抗がある

誰かと恋愛関係になる、ということに「抵抗感」や「嫌悪感」があり、両思いを求めない、という場合もあります。原因は様々ですが、好意を向けられると途端に冷める、という指向です。

③肉体関係に抵抗がある

これは②と少し重なりますが、リスロマンティックには、恋愛関係というより、「性的な肉体関係を汚らわしいものとして嫌う」ことで、結果として両思いや恋愛関係を結ぶことに抵抗を示す場合もあります。

④心を開けない

リスロマンティックには、たとえ誰であっても過去のトラウマなどが原因で心を開けない、という場合もあります。

両親から虐待を受けたり、恋愛や友人関係でひどい経験をした記憶から、他人とうまく関係が築けない、不安感や恐怖感が強い、ということが原因として挙げられることもあるでしょう。

その他、普段は二次元のキャラクターやぬいぐるみなど現実ではない存在が好きで現実として想いを返される人間と恋愛に抵抗感が湧いたり、自分の恋愛感情を誰にも教えたくない秘密願望が極めて高かったり、逆に恋愛感情を抜いた肉体関係を求めるなど、数々の「恋愛できない」指向が、リスロマンティックには含まれます。

蛙化現象とは

一方、「蛙化現象(かえるかげんしょう)」という指向はどういったものなのでしょうか。

蛙化現象は、「好きだったひとから好きだと言われると途端に相手のことが嫌いになったり気持ち悪いと感じるようになること」を指します。

恋愛ができない、というのには、様々な原因があり、そもそも恋愛に全く興味がないひともいるかもしれませんが、蛙化現象は、決して恋に興味がないわけではなく、「恋はするものの、両思いになったら冷める、キモいと思ってしまう」ということを繰り返します。

なぜ、こうした指向が生まれるのでしょうか。

一つは、「自尊心の低さ」が関係していると考えられます。自分のことが嫌いで、気持ち悪いと思っているので、その自分を好きになる相手も丸ごと嫌いになる。

あるいは、「肉体関係への嫌悪」も原因としてあげられるでしょう。恋人になることで肉体関係に発展することを想像し、これまで理想の、ある種想像の世界の人間だったのが、極端に現実になって避ける。

加えて、これまで自分が見つめる側だったのに、両思いになって見つめられる側になることで、人間らしい生々しさを感じ、拒絶感が生じることもあります(追いかけられると急に冷める、というのも蛙化現象の一つと言えるでしょう)。

このことと関連し、恋人になって付き合えば、「思っていたのと違う」こともたくさん出てきます。想像の世界で好きであるうちは全てが完ですが、現実に彼氏になれば、むしろ一から築き上げていかなければなりません。

期待値が極端に膨れあがってしまうようなもので、その落差で急に冷めてしまうこともあります(この辺りは二次元のキャラクターやアイドルを好きになることの延長上で恋をとらえてしまっていることに原因がある場合もあります)

こうしたことを「蛙化現象」と言います。

蛙化現象という名前は、グリム童話の『かえるの王さま』に由来します(童話のあらすじや詳しい由来については以下の記事で解説)。

蛙化現象、由来は童話蛙化現象、由来は童話 恋愛の心理的状態として取り上げられることも増えてきた「蛙化現象(かえるかげんしょう)」。 これは、片思いで...

蛙化現象の恋愛指向を歌った、たかやんさんの『蛙化現象』では、とても分かりやすくその悩みや葛藤が表現されています。

外から見ると、わがままであったり、魔性の女や(男性の場合は)女好きと思われることもあるかもしれませんし、実際そういうひともいるかもしれませんが、このことで思い悩んだり恋愛を楽しんで行うことができない点に、この蛙化現象の苦しみがあると言えるでしょう。

二つの違いは

それでは、「リスロマンティック」と「蛙化現象」の違いはどういった点にあるのでしょうか。

基本的には、リスロマンティックの一部にピックアップしたものを蛙化現象と言っていると考えられます。

リスロマンティックでは、最初から両思いの関係を望まないという指向から、恋愛感情をそれほど重視せず、肉体関係が中心の関係性を築く指向まで、幅広く「恋愛できない」「恋愛に興味がない」という感情をカバーします(リスロマンティイクの細かな種類は、以下の記事を参照)。

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このリスロマンティックのなかには、好きになられると嫌いになる、性的な関係を嫌悪したり恐怖する、二次元的理想像として片思いの男性女性が存在するので現実に両思いになると冷める、といった状態も含まれ、この部分に特化したものを「蛙化現象」と呼んでいるのでしょう。

この言葉は英語にはなく、日本のみの区分けですが、なぜ日本でこうした区分けが生まれたかと言うと、もしかしたら日本人の自尊心の低さに関係しているのかもしれません。

海外と比較した調査では、日本の若者の「自信のなさ」が取り上げられることも多く、自殺の多さも問題となっています。

蛙化現象の原因の一つに自尊心の低さや自分のことを気持ち悪く感じる、ということがあり、日本ではリスロマンティックと言うと、この蛙化現象的な指向が多いことから、この分類が注目を集めたのではないでしょうか。

以上、リスロマンティックと蛙化現象の違いでした。